新陰流兵法の稽古と工夫
碧燕会では毎週土曜日を通常の稽古日として「新陰流兵法」の稽古を行っています。
稽古は伝位に応じて違った内容を学びますので、武術経験の無い初心者でも安心して稽古を始めることができます。また、約500年という長い歴史を誇る新陰流はその伝承方法にも大きな工夫がある点も、無理なく続けられる特徴の一つです。
入会直後の初心者は内伝の「三学円之太刀」や外伝の試合勢法「相雷刀八勢」といったカタ(太刀、勢法)から学びます。習得する際に「取り上げ遣い」という要所で動きを分解するかの様に一旦止まりなが行う動作でカタを学びます。その後、習熟が進めばその動作を止まらずに行う「下から遣い」(カタによっては動作も変化していく)を学びます。さらに「本伝」といった段階に進んでいきます。
こうすることで新陰流独特の身体操作や術理を段階を踏んで確実に習得することができます。また、先輩は打太刀といってカタを覚える人(使太刀)の相手をすることで、自分自身も正しい動作や向き、拍子といった要点を再確認し学ぶことができます。
段階を踏む過程を作ることでしっかりと伝習することができる工夫が新陰流であり、非常に多くのカタの本数を誇りながら、長い激動の時代を乗り越えても今なお変質せず伝承されてきた理由の一つといえます。
0コメント