碧燕会の通常稽古について

 新陰流兵法 碧燕会では毎週土曜日に伊賀上野武道館(三重県伊賀市小田町524番地)にて通常の稽古を行っております。
 今回は当会の稽古について少し紹介いたします。「興味はあるが、始めるのは少しハードルが高い!」と思われがちな古流剣術ですが、実際は腕力や体格に頼らない分、一般的なスポーツよりも年齢や性別、経験問わずに始められることをご存知でしたでしょうか。このホームページを通じて新陰流を始めてみたい人の参考になれば幸いです。

 新陰流は約500年の歴史を誇る古流剣術ですので今でも日本古来の身体の使い方と形稽古を伝承しています。不思議に感じる人も多いかもしれませんが、明治以降の現代人の身体の動かし方と、古来の動かし方は大きく異なります。この点は、稽古を進めていけば自然に身についていきますので心配は不要です。
 新陰流はミニマムな動作でありながら、極めて効率的な力を発揮する技術を今も伝えております。戦う為の技術だけでなく、身体の使い方や姿勢、力の入れ方、そして常に冷静な心持ちまでも実現する教えは我々の日常生活においても大きな力となることでしょう。

 通常の稽古では、 韜(袋竹刀)という新陰流独特の竹刀を用います。竹に割れ目を入れ、朱色に塗られた本革製のカバーを被せた構造で、流祖の上泉伊勢守信綱が考案したと伝えられております。それ以前は木刀や刃を潰した真剣を用いた稽古が主体だったため多くの負傷者が出たことは想像に難しくありません。韜(袋竹刀)を用いることで安全な稽古を実現したと共に、伝承の正確さを実現したといえます。
 碧燕会でもこの韜(袋竹刀)を用いて稽古を行います。新陰流では打ち込んできた相手の攻撃を受ける、流す、といった動作も多いため、安全な稽古のためには必要不可欠といえます。

 多くの古流がそうであるように新陰流もまた形(カタ)稽古によって様々な術理を学びます。もちろんカタ、勢法は実戦の雛形や形式的なものではなく、その一つ一つの挙動に重要な術理のエッセンスが凝縮されているものです。それらを学び体得する事に大きな意味があります。新陰流の足の位置、手の位置、姿勢など、その全ての要素を学びます。文章にすると非常に難しそうですが、当会では新しく入会した人に分かりやすく、各所で説明を加えながら稽古を進めています。

 「なぜここで この動きをするのか」「なぜここは動くのか、動かないのか」一度でも当会の演武や稽古を見た人ならば疑問に感じたかもしれません。それほど一見では分かりにくい部分が多く含まれていると言えます。しかしその全てにおいて合理的な意味と意図があります。
 碧燕会ではそれらの本当の意味を解説を通じ体得していくことが可能です。もちろん各自のペースに合わせての過程を進みますので心配は不要です。

 戦国時代に生まれ、江戸時代、そして幕末を越えて生きぬいた本物の術理とは何か。徳川将軍家御流儀にまでなった新陰流兵法にご興味があれば、いつでもお問い合わせください。見学や入会は随時受付中です。